研究事例

乾燥焼成

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疎水性工一ロゲルの製法

アルコキシシラン化合物を加水分解し、縮重合するとゲル状の化合物が得られます。これを18℃、5.5MPaの液化二酸化炭素中に入れ、エタノールと二酸化炭素の混合物を分散媒として満たした後、80℃、16MPaの超臨界状態にします。
次に疎水性処理剤としてヘキサメチルシラザンを加えてゲル状物質の表面を疎水化します。
さらに超臨界二酸化炭素を流通した後減圧し、ゲル状物質に含まれるエタノールと二酸化炭素を除去すると、疎水性のエーロゲルが得られます。
この方法で得られるエーロゲルは表面が完全に疎水化されているため、水分吸着から起こるひび割れによる透明度低下がないことから透明断熱材、光ファイーバーのクラッド材などとして利用されます。

シリコンウエハー上の感光性樹脂を瞬時に乾燥

シリコンウエハーなどの基板上に微細パターンをつくる方法として、感光性樹脂を塗布後、パターン露光・現像・エッチングを行うフォトエッチング法が用いられます。
しかし、エッチング後の乾燥工程で樹脂膜の変形・破壊・ウォーターマークなどが発生することにより、歩留まりを低下させるという問題があります。
ところが超臨界流体を用いる方法では、超臨界二酸化炭素流体中にエッチング後の基板を入れることにより残存溶剤等を溶解後、圧カを臨界圧以下にすることにより樹脂膜は瞬時に乾燥されるため、このような問題が起らず、歩留まりを高めることができます。

超臨界で無機多孔体から触媒毒が除去できる

触媒を保持するための無機多孔体としてアルミ・シリカ・力一ボンなどの膨潤性層状多孔体が用いられます。
これらの膨潤性多孔体の層間にケイ素・チタン・ジルコンなどのアルコラートの加水分解物を挿入し、ついで白金・パラジウムなどの触媒を担持させた後、超臨界二酸化炭素で処理乾燥すると、触媒毒となる塩素などの不純物を完全に除去することができます。