超臨界流体 Supercritical fluid
物質の状態変化として、固体/液体/気体が知られてますが、さらに圧力と温度を上げていくと、ある時点で液体でも気体でもなく、両方の特徴を持つ「超臨界流体」になります。
この超臨界流体は、液体のような高い溶解性と、気体のような大きな拡散性を示し、圧力と温度をコントロールして通常では起こり得ない反応を進めたり、溶解しない物質を溶解させたり、分離させたりできます。
二酸化炭素や水、アルコールなどの超臨界流体で、それぞれの特性を最大限に活かし、食品・エネルギー・環境・医療など幅広い分野への貢献が期待されます。

超臨界二酸化炭素の特徴 Supercritical carbon dioxide(CO2)
二酸化炭素の臨界点は31.1℃、7.4MPaであり、これを超えた温度、圧力領域にある二酸化炭素を超臨界二酸化炭素といいます。

| 臨界点が [31.1℃、7.4MPa] と穏やか | ・熱変性・熱劣化を起こさない、熱敏感素材の加工等に利用できる |
| 圧力や温度を変えることで、 物性制御(密度、誘電率、溶解度)ができる |
・微粒子生成、発泡、昇圧・高密度化含浸 ・二段階抽出・分離、分画 |
| 不活性で無害な非極性ガス、処理後の溶媒除去が簡単 | ・ヘキサンなどの有機溶媒の代替溶媒として利用できる |
| 低分子、低粘性・低界面張力・高拡散/高浸透性 | ・細胞の様な微細構造に容易に入り込み、目的成分を溶解できる |
超臨界二酸化炭素の活用
超臨界二酸化炭素を活用した抽出技術は1970年頃より、食品分野においてコーヒー豆からのカフェイン抽出、ホップエキス、フレーバーなどの抽出を対象に利用されてきました。
最近では、機能性食品素材を対象とした安全・安心な抽出溶媒としての期待が高まっていますが、その他にも様々な分野で適用され、使用される超臨界流体技術も多様化しています。

超臨界二酸化炭素による抽出
超臨界CO2抽出の原理と装置

超臨界二酸化炭素による洗浄乾燥
超臨界二酸化炭素は液体のような表面張力がなく、微細構造のパターンを変形させずに瞬時に洗浄や乾燥ができます。
例)シリコンウエハー、カテーテル、エアロゲルなど

超臨界クロマトグラフィー(SFC)
超臨界流体を移動相に用いたクロマトグラフィーで、従来のHPLCよりも高速で分離することができます。
