高圧技術とは?

超高静水圧

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超高圧加工「まるごとエキス装置」 High pressure processing(HPP)

近年、数十~数百MPaまでの超高静水圧による加工技術が世界各国で活発に研究され、高圧加工食品として市場への提供が相次いでおり、このような開発活性化の理由として、非常に特殊で高価であった装置の改良が挙げられます。
関連会社の株式会社東洋高圧が開発した超高圧加工装置「まるごとエキス」を用いて、食品加工にとどまらず、医療分野や有機無機素材など化学分野など多方面で新たな技術開発の手段として注目されてます。

微生物の殺菌・増殖抑制 Sterilization

数百MPaの超高圧下で微生物が生存することはできず、非加熱もしくは中低温で殺菌できます。熱による細胞変質や成分損失、褐変などは生じず、従来の熱殺菌とは異なり、素材の特性を維持することが可能です。
また、脱気状態で加工するため酸化劣化も低減され、防腐剤や酸化防止剤を添加することなく、食品・化粧品・医療において安全な殺菌方法として有効です。

 

圧力酵素分解 Pressure enzyme decomposition

中低圧領域において温度と圧力を調整することで、腐敗菌は殺菌しながら酵素作用を最大限活かし、組織の酵素分解を進めて液状化します。
この製法は広島県の圧力酵素法として食品加工の技術特許となっており、弊社グループはこの技術の使用を認められてます。

素材への含侵・抽出 Impregnation・Extraction

物質を加熱すると、その中心まで温度を伝えるには時間がかかり温度ムラができますが、圧力は瞬時に内部まで伝わり、均一な効果が得られます。
様々な固形素材を超高圧の溶液中に置くと、溶液とその中に溶解した成分が素材の深部まで含侵されることが知られており、染色や素材改質、機能性付与、抽出などに利用されます。
食品や化粧品においては、水やアルコールを溶液として高圧下におくと、従来の水蒸気抽出のような熱による損失なく香気成分や有用成分が抽出されるため、高品質・高収率・短時間での抽出が期待できます。

物質の変性・熟成 Denaturation・Aging

数百MPaの超高圧で生卵を数分間保つだけで形は崩れることなく、ゆで卵のように固まります。
非加熱~中低温処理のため、熱に弱い成分や香りは変化し難く、そのままの風味を保ちます。
また、食品の熟成や発酵は長期間かかるものですが、高圧下では熟成が促進され時間短縮することも知られてます。